カメラの魅力・写真の楽しさ



島根の焚き火小屋に持参したMyカメラ(の一部)
どれもフィルムカメラばかり
右奥:Pentax LX
左奥:Pentax SL
右手前:Leica バルナック型IIIf
左手前:Voigtländer Perkeo(フォクトレンダー ペルケオ)
このほかに、Leica M4-P、NIKONOS、Pentax LX(2台目)が実家にある
カメラは趣味だけど、コレクターではない
出番の少ないものもあるけど、全部実用として使っている





最初に手に入れたカメラは、FUJIFILMの"ティアラ"という単焦点コンパクトフィルムカメラ
大学時代に購入し、いまとなっては何を撮ったか覚えていない
社会人になって、山登りや旅行をするようになり、出会った感動をかたちにしたいと思った
絵を書くのも悪くないけどそんなに悠長じゃない、詩や俳句もいいけど作文は苦手
写真は手っ取り早いしメカは好き
ただ、写真というのはあまりに直接的すぎて、写真に残すことで心の感動が減ってしまいそうだ
ほんとうに感動した風景は心に残り、残らないものはたいしたことはない
そんな風に思っていた
いや、今でも思っている
だけど、それを他人に伝わるかたちで表現したいという思いが勝った
奮発して、RICHO GR-1を手に入れた
単焦点28mmの高性能なレンズを備えた超コンパクトなフィルムカメラだ
カメラはよくても、思うような写真を撮るのは難しい
最初の頃は、ほとんどのコマを切り捨てた
気が向いたらカメラを持ち出し、美しいと思った景色にレンズを向け、よく撮れたと思う写真を選んで残した
古いちいさなスライド映写機を買って、遊びに来た友達に上映会をしたりもした
だんだんと写真が面白くなった

シーカヤックや沢登り、雪山をはじめてNIKONOSという水中カメラを手に入れた
このカメラ、ピントの距離は目測で合わせ、絞り優先AEかマニュアルで撮る
全自動でも撮れるGR-1よりも難しい
レンズは、Wニッコール35mmF2.5という、50年も前に開発されたレンズ構成を引き継いでいる(つまり50年前に完成された)、名作レンズが付いていた
絞りと被写界深度の関係、シャッタースピードを優先した撮り方、35mmという画角
これまたたくさんの失敗をしたけど、いろいろ学んだ

GR-1とNIKONOS、この2台で10年ちかくを遊んだ
そして、南極観測隊員に選ばれたのをきっかけに、一眼レフに手を出した
デジカメがようやくフィルムに追いついたと言っていい時代であり、デジカメも手に入れてみた
思うような絵が撮れなかった
撮っては液晶で確認し、設定を変えてまた撮る、といった撮り方にも違和感を感じた

旅に出る時、どのカメラどのレンズを持ち出すかというところから旅の楽しみは始まっている
携帯性を優先するか、レンズを優先するか、防水性を優先するか
どんな状況でどんな景色に出会えるのか想像しながら選択する
美しい風景に出会ったとき、それを表現するのに最適なレンズを選び、フレーミングを決め、絞りを決め、シャッタースピードを決め、ピントを決めてシャッターを押す
露出が難しかったり、違う表現もしたいときには、設定を変えて撮る
この間、被写体との間で会話をしているような時間が流れる
撮り終えたあと、被写体であったものに、人に、風景に、植物に、動物に、、出会いに、感謝する
撮った写真は、現像が上がるまで目にすることはできない
現像されたフィルムを眺め、もう一度感動を味わうのだ(上手く撮れていれば)

南極に持っていく一眼レフは、Pentax LX に決めた
南極ほど寒いところでは、電子式よりも機械式のほうが信頼できると思った
調べてみれば、LXは写真家が南極で使った実績があり、カタログには氷漬けになったLXの姿が載っていた
しかし、決定的だったのは、手に持った時の心地よい感じ
このカメラならいい写真が撮れる、と思った
ほかのカメラもいくつか試したけど、LXほどの信頼感は持てなかった
2台のLXとNIKONOS、ブログ用にGR-DIGITAL
富士フィルムで現像券付のフィルムを400本ほど購入し、「しらせ」に積み込んだ

1年3ヶ月の越冬中、ほぼ1日1本のペースで写真を撮った
撮っても撮っても、南極の美しさは撮りきれないという思いだった
LXは、マイナス40℃近い気温でもちゃんと動いてくれた
フィルムも、寒さで切れたのは1回だけ
とうとう持ち込んだフィルムが足らなくなって、ほかの隊員にフィルムを分けてもらって撮った
現地で現像ができないので、撮影した430本のフィルムは、ダンボール一箱にまとめて大事に抱えて日本に持ち帰った
空港ではX線を当てないために、すべてのフィルムをハンドチェックしてもらった
フジフィルムで現像してもらったポジには、美しい南極の風景が残されていた

南極で撮った写真は→こちら

Leicaを使ってみたらいい
と、おなじ南極観測隊員だった写真家の阿部さんに言われた
Leicaは高いし、使いづらそうで、なんか違うなぁと思いながら、その言葉が心に引っかかっていた
南極から帰って、近所の写真屋さんの棚にM4-Pを見つけた
「安くしとくよ」
そう言われて、そうは言っても10万円を超える、露出計も付いていないそのカメラに多少不安を感じつつも、手に持った重さや真鍮のすれ具合のよさに負けて購入した
レンズは、中古でELMAR 50mmf2.8を手に入れた
散歩や京都旅行に持ち出して撮った
Leicaは、そんな使い方が似合っていると思った
撮れた写真は、それまでのものとは全く雰囲気が違っていた
はじめてLXで撮った時もそうだったのだけれど、カメラが変わると撮るものも撮り方も変わるのだ
とくに意識しなくても
もちろん、カメラやレンズの性能の違いはあるのだけれど、それ以上に

カメラやレンズが変われば広がる表現の世界

M4-Pを使って、露出計がなくてもだいたい撮れることがわかった
南極の1年3ヶ月間、現像確認しないまま撮り続けた経験
NIKONOSでは距離目測でピント合わせ
これだけできれば、怖いもの知らず
とばかりに、クラシックカメラにまで物欲の標的を広げた

古いカメラやレンズは魅力的だ
まず見た目に面白い
被写体をフィルムに写し取るために、どういう方法をとるのか、
メーカーや時代によって様々なシステムがあり、デザイン、工夫が凝らされている
そういう個性が見てとれてわかりやすい
レンズも、美しい鏡胴に美しく磨かれ(コーティングされ)たレンズや凝った絞り羽根が納まっている
レンズの写りは、個性的だ
技術的に未熟といえば、スペックの上ではそうかもしれないけれど、スペックでは表せない美しさや味がある
なんといっても、やっぱりちゃんと写るというのが魅力だ
しかも、何十年も前に作られたものだというので恐れ入る
機構が比較的単純であり、プラスチックのような経年劣化の早い素材を使っていないことから、古い時代のカメラはこれからも何世代にもわたって使い続けられるだろう
古いレンズを、新しいカメラに取り付けられるよう改造することもできる

スペックや利便性を重視する風潮や、新しいものを次々と発売しなければならない経済
カメラに限らず、そんな世の中がわすれてしまった良心や心地よさ
それを大事にするから、古いカメラにこだわってしまうのか

被写体と向き合ってシャッターを押すまでに流れる時間の贅沢さ
カメラの魅力はすべてそこに凝縮されるのかもしれない

フィルムで撮った写真は→Flickr
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by hee3hee3 | 2014-01-09 18:48


風まかせ


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