八甲田の白い世界へ
せっかく青森に引っ越したというのに、なかなか八甲田に登る機会がない
気がつけば、丸2年ぶりの冬の八甲田
泊まり荷物を背負って、膝から時に付け根の深いラッセル
体力の低下が心配だったけど、まあゆっくり歩けば小屋までは行けそうだ
出だしは上々の天気
例年になく雪が多い
いつもあるはずの樹も雪の下に隠れ、地形も緩やかに
ウサギが駈けているのも丸見えだ
南八甲田の眺めもよし
ツアー標識は無視して、気の向くままにルートをとる
逆川岳から荒沢に落ちる斜面、なだらかに横岳につながる稜線
自然の造形に見とれる
立ち並ぶ樹林も綺麗です
地獄湯沢におりて休憩していると、急に雲が増え、そこから上は雲の中
視界のきかない中、沢に沿って詰め上がる
風は強くない
たまに雲が薄くなって、弱い光の中からモンスターが現れる
こんなに白く太ったモンスターもなかなかない
大好きな仙人岱避難小屋
めったに使わない、冬季用の出入り口を除雪して中に入る
こんなに雪が多いのはいつ以来だろう
翌朝
日の出前から起きて待っていたにもかかわらず、山の天気は相変わらず
すっかり雲の中で真っ白け
待っても回復は見込めないので、とりあえず出かけてみる
小屋下の斜面を滑ってみても、斜度も起伏もわかりゃしない
途中からアオモリトドマツのシルエットが見えてきて、気持ちよく滑ることが出来たけど
最後は風が作ったウインドスクープの落とし穴が見えず、見事に落っこちた
くぼみの中で雪に体を預け、真っ白い空を見上げて、わはは、とひとりで笑う
小屋に戻ってすこし休憩したら、荷物を全部パッキング
ちょっと早いけど、余裕を持って下山しよう
帰りは、硫黄コースで
通常は硫黄岳の鞍部まで降りて東に向かうのだけれど
アオモリトドマツの蜜なところを避けるように、コンパスとにらめっこしながらルート取り
ギャップは慎重に処理し、開けたところは快適に滑り下る
雪質は上々
狙ったとおりに地獄湯沢に戻ると、前日のトレースがずいぶんと深く広くなっていた
見覚えのあるルート旗は、おそらく地元の山岳同人のあの人だろう
久しぶりに会いたかったが残念だった
最後はルートを外れて地獄沼へメロウな斜面を流す
酸ヶ湯で旧知のフロントさんとおしゃべりし、酸っぱいお湯で汗を流して、
またこうして冬の八甲田に遊べたことに感謝する
by hee3hee3
| 2013-01-31 21:44